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ご紹介その2

またまたご紹介、転載です。
具体的で、”高校より大学”
パナソニックから、お笑い、観光までと具体的な提言がうれしい。





▼INDEX▼

  ■ 『from 911/USAレポート』第556回

    「橋下徹市長に改めて成長戦略を問う」

    ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)


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 ■ 『from 911/USAレポート』                 第556回
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 大阪市の橋下徹市長の政治姿勢について、先週のこの欄で行った批判に対し、橋下
市長自身がツイッターでコメントを発信しています。具体的には私の「橋下政治には
成長戦略が欠けている」という問題提起に対して、大阪府のホームページに「大阪の
成長戦略」を掲げているので見て欲しいということでした。

 早速閲覧したので、以下5点ほどの提言をしたいと思います。その前にこの「成長
戦略」ですが、意気込みは悪くないのですが「概要版」を見るかぎり、まだまだ本格
的なものではないようです。何よりも、ページの冒頭に掲げられている「宣言」から
して、魂を入れるのはこれからという感じです。以下、その文言を引用します。

「大阪府では、大阪大都市圏の成長を阻害してきた要因を明らかにしたうえで、今後
10年間の成長目標を掲げ、それを実現するための短期・中期(3から5年)の具体
的取組方向を明らかにすることをねらいとして、「大阪の成長戦略」を策定しました。
この戦略は、「大阪が成長するためには何が必要か」という観点から、必要と考えら
れる取組を幅広くまとめたものです。大阪府として取組むべき施策・事業だけではな
く、法制度の改革や創設など国として取り組むべきこと、関西全体で連携して取り組
むべきこと、市町村や民間企業、NPOや広く府民に取り組んでいただきたいことな
ど、さまざまな主体の取組や多岐にわたる内容を盛り込み、関係各方面に共有してい
ただく「提言書」としても、ご活用いただくことを期待しています。」

 これでは、この提言は「総花的ですよ」と正直に宣言しているようなものです。ま
た、最新の今年の1月24日の大阪府戦略本部会議で検討されたらしい「大阪の成長
戦略の点検・強化」という資料も見ましたが、1年前の「概要」の延長でしかなく、
震災を受けて一部が修正されただけでした。

 これではお役所仕事と言われても仕方がないわけで、この1年間に内外情勢がどん
どん変化しているのですから、戦略戦術もどんどん柔軟に変えて行ったらいいのです。
では、具体的にはどんな方向性を考えて行ったらいいのでしょうか? 5点問題提起
します。

<1.高校だけではなく大学を>
 教育がカギというのは正しいアプローチだと思います。人材が成長の原動力である
ことは、20世紀前半の英国の衰退、19世紀から20世紀にかけてのドイツと日本
の成長、昨今の中韓の国際競争力の伸長などを見れば明らかだからです。一方で、現
在の日本で、あるいは大阪で問題になっているのは人材と産業のミスマッチです。

 つまり「こういう教育の仕組みをつくり」「こういう人材を育てれば」「こういう
産業が伸びる」という連動が上手くいかないとダメなのです。まず「最先端」の部分
から考えることにします。大阪が本当に先端産業で輝くには、高校のレベルで優秀な
学生を育ててもダメです。いい大学がなければ高校生は東京や海外に流出してしまう
からです。大阪の府立高校を本当にグローバルに通用する人材輩出の場に持っていけ
たとしても、卒業生が精華大やスタンフォードに逃げられたのでは話になりません。

 まずは大阪大学をもっと強化して、少なくとも質量で京大を追い越すようにする、
特に理系では東大や東北に勝てる専門分野を一つでも多くするということが必要です。
後は私学ですが、関関同立などといっても大阪市内には一つもない(関学の梅田はオ
フィスビルの中のサテライト的なもの)わけで、これだけの大都市でこれだけ大学が
少ないというのは、異常だと思います。郊外にはあるのですが、郊外にあるとすぐに
東京や京都と結びついてしまうわけで、もっと市内に持ってくる、その上で競争力を
高めないとダメです。

 府大と市大の統合などに関しても、特に経済系は今のような国内向けのカリキュラ
ムでは難しいにしても、金融にしても会計にしても、国際基準での人材ニーズは大阪
という町としてもあるわけです。大阪が庶民の町、実務の町、事務屋の町、商人の町
である限りは、経済系の大学は中身を徹底改革し国際化して拡大すべきこそあれ、縮
小というのは逆行です。

 先端産業に関しては、総合特区構想というのも動いているようです。確かに医薬品
や医療技術の治験(臨床で有効性と安全性を検証するプロセス)について、日本の場
合に規制が厳しすぎるのは大問題です。ですが、治験を中心とした規制緩和をすれば
製薬や医療機器で国際競争力が強まるというのでは、足りないと思います。もっと
もっと先へ先へと突っ走るようなスタンスがこの分野では求められます。

 アメリカの先端産業は、MITとボストンのハイテクや製薬、スタンフォードとシ
リコンバレーなどを筆頭に、大学があって人材が周辺で起業して雇用も生まれるとい
う循環から発達してきているわけです。とにかく大学です。9月入学なんて、東大よ
り真っ先に大阪の各大学が大阪の地域や産業界とセットになって先行してやってしま
えばいいのです。

<2.先端産業だけではない>
 前回の私の提言ではハッキリ書きませんでしたが、大阪を再生するには先端産業だ
けではダメなわけです。所詮は中韓の下請け狙いというようなネガティブな言い方を
しましたが、それでも産業として成立するなら立派な再生になるのは間違いありませ
ん。東京の大手メーカーが勝手に自滅して中韓にシェアを取られたら、例えばサムソ
ンやハイアールの部品は大阪がこれまで以上にガンガン作って儲ければいいと思いま
す。

 先端産業の誘致というのは時間がかかります。また失敗もあるわけです。特に先端
産業を成長させて、現在の雇用の問題を解決するのには長い道のりがあるわけです。
ですから、現在ミスマッチで苦しんでいる30代から40代の雇用を再生するには、
アジア全体のダイナミックな変化の中でこれまでとは違う発想が必要と思います。

 例えば、特に中国のメーカーをターゲットにして中国の会社が進出しやすいような
特区を作るというのは考えられます。80年代に日本企業が進出する際に、アメリカ
の各州が雇用創出のために本当に州政府レベルで骨を折ってくれましたが、そういう
ことがあってもいいと思うのです。

 TPPを機会にアメリカの自動車産業が日本でクルマを売りたがっています。連中
のいう「軽自動車規制は非関税障壁」などという勝手な言い分は拒否すべきですが、
その代わりに、フォードに軽四を作ったらどうかと持ちかけて大阪に工場を誘致する
とか、そこから中国やインドの市場も狙うとか、とにかくやってみて、ダメなら走り
ながら方向修正をすればいいんです。自動車の関連で言えば、トヨタが巨大な産業の
ピラミッドを作っていますが、名古屋圏にある部品メーカーの一部は、名阪など高速
道のインフラも進んだことですし、大阪圏に「引っこ抜く」こともやったらいいので
す。

<3.実務の国際化というのは大変に重要>
 パナソニックがロジスティックスの部門をシンガポールに持っていくというのは、
色々な理由があると思いますが、一つにはビジネスの実務がどんどん英語になってい
るという問題があるわけです。物流の管理をする人材、後はコンピュータの関係など
は、業務を全部英語でという割り切りをしたほうが優秀な人材を安定的に確保できる
し、トータルではコストが安いんです。であるなら、大阪をビジネス事務の英語での
特区にしたらいいんです。

 特にコンピュータ絡みのシステムの運用を全部英語、更に契約書や会計の関係も全
部英語で回るようにすれば、シンガポールに逃げている部分のかなりは呼び戻せるん
じゃないでしょうか?実際には日本の税法やら会計基準やらの古色蒼然とした制度イ
ンフラの問題が邪魔になるでしょうが、企業ごとに経理・総務・人事がコソコソ運用
している「裏ルール」も一緒に潰せばいいのです。それこそこういった問題こそ
「ぶっ壊す」迫力で改革をお願いしたいものです。

 大阪はザックバランな町だが、オリンパスのような「ええカッコしいの嘘つき」は
絶対にいないし、制度的にも許さないというのが国際的な信用になれば東京など敵で
はありません。上海も怖くないはずです。広大なアジア経済圏を支える「事務仕事の
インフラ」が大阪はしっかり出来ているということになれば、大阪には人もカネも
入ってくると思うのです。

 大阪証券取引所が東証と合併する話が進んでいますが、商都大阪にあるまじき失態
です。人類に先駆けて先物取引を発明した江戸期の堂島の先達に対して、これでは顔
向けできません。話が逆です。オリンパスのような意図的で悪質な企業に対してナア
ナアでは、東証はやがて行き詰まります。大証がサッサと国際標準を達成して、日本
の市場の中心になればいいんです。

<4.人が来れば観光業で雇用創出というのは甘いのでは?>
 この「成長戦略概要」で強く出ているのは、観光業の重視ということです。間違っ
てはいないと思います。ですが、単にアジアからのインバウンドなどで人を引っ張っ
てくれば儲かるというのは、甘いと言わざるを得ません。とにかく「滞在させカネを
落とさせる」ということが必要です。

 もっと具体的に言えば、インバウンドのお客さんを大阪で2泊させるにはどうした
ら良いかという発想法が必要です。とにかくインバウンドのお客さんにしても、関東
圏あるいは九州からのお客さんにしても、関西圏に来たらお目当ては京都と奈良にな
るわけです。そんな中、大阪は関空のアクセス絡みか、USJに寄る場合は1泊する
でしょうが、早朝便の前泊とか、夜遅く関空についての一泊では「室料と朝食」分し
かカネは落ちません。USJの場合も、USJにカネが落ちるだけです。

 ですから、どうしても大阪に2泊させないとダメなのです。提言にあった「大阪を
関西のポータル化(窓口)」というのでは、決定的にダメなのです。ビジネスの戦略
として、何が何でも2泊です。では、2泊すれば、カネを落とさせることができるの
かというと、これも簡単ではありません。今時は、ホテルも激安ビジネスホテルに自
動チェックイン機の時代であり、人が来れば経済や雇用に大きな効果があるという甘
い状況ではないのです。とにかく、メシを食わせる、エンターテインメントを提供す
るというのが大切です。

 市長は「大阪はお笑いの街」だから「文楽やオーケストラ」の補助金を切るという
論法を持ちだしていますが、「富裕層向けの文化なのに税金投入を期待する」層を突
き放すのは一理あるのです。ですが、「お笑い」というのは国内マーケット限定なも
のだということは指摘しておいたほうが良いでしょう。私の場合も、アメリカに来た
時に一番難しかったのがコメディの英語で、文脈は複雑ですし比喩は高度で、分から
なくて苦労したものです。

 つまりお笑いのエンターテインメントはインバウンドのマーケットには不向きなの
です。そこで、出てくるのが伝統芸能です。わざわざ日本に来る、わざわざ大阪に来
ることで「本格的な大阪歌舞伎」なり「文楽」なりが楽しめるということの経済効果
をもっと追求すべきだと思うのです。伝統芸能だけでなく、ミュージカルとかも良い
でしょうし、ロックフェスでもいいと思います。文化そのものは手間がかかるし投資
先行になりますが、町の差別化には絶対に必要なものだと思います。

 次に大事なのは食文化で、成熟しきったB級も愉しいですが、あくまで国内向けな
ので、インバウンド向けの「お値打ちなA級」のグルメというのにもっと力を入れな
いと、九州とか北陸、瀬戸内には勝てないと思います。そうした仕掛け作り、その全
体が機能して初めて観光業というのはカネが落ちるようになるわけです。

 カジノについては「そこまで窮したら仕方がない」という言い方を前回しましたが、
ちなみにカジノのビジネスの収益構造というのは、この「提言書」で一応理解がされ
ているようです。ギャンブルそれ自体の収益が中心ではなく、カジノもあるが、エン
ターテインメントもある、美味いものも食える、あるいはインフラができていて、巨
大な見本市もできるというような総合的なビジネスとして、「目的地」の魅力を高め
ようという構想なら、ハッキリそう打ち出すべきです。

<5.貧困層対策も成長戦略>
 橋下市長の施政で評価できるのが、西成の再開発を打ち出したことです。西成を家
族の住める街にというのはメッセージとしても、政策としても正しいのだと思います。
ですが、地区を再開発したとしても、貧困層の問題は残ります。ですが、貧困対策は
コストだから成長戦略とは別個というのは間違っているし、貧困層の自立は自己責任
でというのも、もうそれだけでは機能しないと思います。

 例えば、私の住んでいるニュージャージー州の州都トレントンというのは、20世
紀の半ばに衰退が始まって以降は完全に荒れてしまっているのです。本当に貧困率は
高いですし、高校の中退率が60%とかで、卒業する子供のほうが少ないという実態
もあるのです。そのトレントンの中央高校というのは、ウチの息子の野球の対外試合
で何度も行ったことがあるんですが、野球も悲しいぐらい弱いのです。道具が買えな
いので小さい時からちゃんと練習できないんだというようなことを、そこの保護者の
人から聞いて驚いたこともあります。

 貧困のウラには人種問題もあって、この地域の人口は黒人が過半数なわけです。そ
のトレントン中央高校で、今、先生たちが少ない予算をやり繰りして「調理のクラス」
のカリキュラムを必死に作っているんだそうです。それは「職業に直結させる」とい
うのをコンセプトにして、調理師資格などとリンクさせようという試みなんですが、
(実はアメリカの普通高校でそこまで面倒を見るのは少ない)子供たちにも非常に好
評だというんです。

 とにかく、貧困層に職を提供できるような成長であり、全体の成長が貧困層の減少
になるように設計するべきです。膨大な生活保護受給者の問題は待ったなしだと思い
ますが、受給者を他府県に押し出すのでもなく、彼らの困窮を更に悪化させるのでも
なく、とにかく雇用を創出する中で問題を改善する、しかも中央官庁がやってきたよ
うな効果の薄いバラマキではなく、本当に「手に職のつく」ような対策をです。

 いずれにしても、大阪府の「成長戦略」の「概要」というのは、まだまだという印
象です。もっともっと仕事と発信のスピードアップが必要ではないでしょうか。まし
て、1年前の方針が固定化・硬直化しているのであれば、これはいけません。

 そう考えれば考えるほど、イデオロギー論争は不毛だと思うのです。選挙も終わり、
市政の敵も変わりました。政敵を難詰して追い詰めるのはもう終わりであり、今から
は「衰退」と戦い、本当に成長を勝ち取らなくては有権者の期待には応えられないと
思うのです。
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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空
気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』。訳書に『チャター』
がある。 またNHKBS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。

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●編集部より 引用する場合は出典の明記をお願いします。
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JMM [Japan Mail Media]                   No.672 Extra-Edition3
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【発行】  有限会社 村上龍事務所
【編集】  村上龍
【発行部数】99,605部
【WEB】   ( http://ryumurakami.jmm.co.jp/ )







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テーマ : 地方行政と政治
ジャンル : 政治・経済

後追いになりますが、ご紹介しておきます。転載

もう既に、市長本人の考えがツイッターで発信されて
さらにそれに対しての発信もされていますが、面白い意見なので
ここでも紹介しておきます。
以下転載・・・・・・・・・




▼INDEX▼

  ■ 『from 911/USAレポート』第554回

    「橋下徹市長の政治手法は何が問題なのか?」

    ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)



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 ■ 『from 911/USAレポート』               第554回
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 大阪市の橋下徹市長の政治手法が大きな関心を呼んでいます。例えば、アメリカか
ら見ていますと、橋下市長の主張の中には納得できる部分もあるのですが、同時にク
ビを傾げる部分もあります。今回はその辺を少し整理してみようと思います。

 まず「教育改革」の問題ですが、例えば北大の山口二郎教授を一方的に追い詰めた
ディスカッションなどを見ていると、アメリカで進んでいる議論と似ているのを感じ
ます。例えば、この欄で既にお話しているように、2010年にヒットしたドキュメ
ンタリー映画『ウェイティング・フォー・スーパーマン(スーパーマンを待ちなが
ら)』では、ワシントンDCでの教育改革を追いながら「いかに腐ったレモン(ダメ
教師)」を駆逐するのが難しいかという問題を提起しています。

 既得権益に固執する教職員組合に対して、保護者や社会の期待に応えた改革者が
「教員の質の向上」を目指して闘うという構図はソックリです。ですが、外側の構図
はソックリなのですが、具体的な議論に入ってゆくとかなり違う点もあることに気付
かされます。

 まず、日本では公教育における能力主義の導入の可否が議論になっていますが、ア
メリカでは(恐らくは世界のどこでも)そんな議論はありません。泳げない子供には
息継ぎを教え、競泳レベルの子供にはどんどんタイムを競わせるのと同じように、数
学が好きな子にはどんどん微積分まで突っ走ってもらわねば困るし、苦手な子には苦
手意識を脱するような丁寧な指導が必要だというのは、多くの国で当然とされている
考え方です。それを「全員一緒が平等」というような話になっているのは非常に特殊
と思われます。

 私立校と公立校の位置づけの問題も、日米では大きく違います。日本の大都市圏の
場合は、富裕であれば子供を塾に通わせて私立の小中高へ行かせるわけです。私立校
の多くは受験校です。また受験校でない場合は大学の系列校ですから内部進学生には
それなりの学力を付けて送らないと大学が沈没してしまいます。そこで私立校の内部
では到達度別の教育を始めとした競争が行われています。正に能力主義そのものです。

 ですが、いわゆる教育問題に関する平等を主張する人は、私立校の中の競争主義に
は批判はしないのです。公立校に関してのみ、能力主義の導入は非人間的だという主
張をするのです。ということは、経済的な理由で公立校にしか行けない子供は、勉強
熱心な大学への進学を可能にするような教育を受ける機会は極めて限定されてしまい
ます。

 アメリカの場合は、まず小中高の私学に対する公的な助成はほとんどありません。
ですから、結果的に私立は年間の授業料と寄付金だけで運営せざるを得ず、その授業
料は一年で200万円とか300万円という水準になってしまいます。ですから、対
象が富裕層に限定される、つまり支払い能力で選別がされるので大規模な「お受験」
競争が起きることもないし、そこで行われている教育内容について誰からも文句を言
われる筋合いはないのです。

 アメリカの問題は、あくまで公立校であり、更に言えば市町村の独立採算制が厳し
い中で、とりわけ生徒一人あたりの税収が乏しい学区域の「学力到達度」が問題にな
っているわけです。これに加えて、アメリカの場合は公立学校の教員の給与は非常に
低く抑えられています。年収は大半の先生が4万ドルから7万ドルであり、契約は9
月から6月まで、つまり夏休みの7月8月は無給という厳しい学区もあるのです。

 一方で公立校では能力別のクラス編成が行われています。州により学区により異な
りますが、小学校の4年生ぐらいから数学は能力別クラス編成になっており、学年が
上がるごとに進度は異なっていきます。最終的に高校を卒業する12年生になると、
例えば私の住んでいる学区の場合は、6学年分ぐらいの差がつくのです。

 公立校でそうした「能力主義」を導入しているのはアメリカでは全く普通のことで
す。問題は、予算の限られた学区では、こうした数学の上級クラスを上手に教える先
生を引っ張ってこれないという点にあります。ですから「腐ったレモン」を追放せよ
などという問題が大きな論議を呼ぶわけです。

 この「腐ったレモン」というのはヒドい言い方ですが、決して「でもしか先生」と
いうイメージではないのです。アメリカの場合は、「教師=薄給」というのは社会常
識になっており、お金よりも理想を目指して教師になる人がほとんどです。であるに
も関わらず才能がないために「一生懸命やっても」生徒の学力を伸ばすのが「下手」
な教師のことを「腐ったレモン」と言っているわけです。勿論、本人が大真面目で組
合も守ろうとしている、しかも生活がかかっていて、つぶしの利かない人材を「追放
する」というのは大変は大変なわけですが、日本の状況とはレベルが違います。

 そんなわけで、この教育の問題に関しては、橋下市長の主張は合理的であると思い
ます。公立学校での学力向上を重要な目標として、その観点から教員の評価を行うと
いう流れは、何よりも格差是正策であり世代間での格差の固定化を避けようという点
で正論だからです。また、橋下市長の改革を批判している勢力に限って、自分の子供
を私学に入れているのであれば、そうした主張には何ら説得力はないというのもその
通りだと思います。

 では、この「大阪維新」の何が問題なのでしょう?三点挙げておきたいと思います。

 一つ目は、折角の教育改革を「日の丸・君が代イデオロギー」と混ぜてしまってい
ることです。戦術論としては橋下市長の作戦は一理あります。指導能力が欠けている
のに、既得権益を固守している組合を批判する上で、この問題は有効だからです。例
えば、卒業式で君が代を歌わずに座っている教師というのは、ある意味で非常に傲岸
に見えるのです。

 我々の世代以上であれば、国に依存した結果ひどい経験にあった世代の「生存本能」
として国を信じないカルチャーがあるということは納得できるのですが、若い世代に
はその「ひどい経験」はリアリティは薄いわけです。そうした世代からは、座ってい
る教師というのは「国家何するものぞ」という威張り切った態度、あるいは国を裏切
る悪人に見えてしまうのです。

 その悪イメージと、能力がないのに地位にしがみつき、しかも高給を得ているとい
うイメージをミックスしてしまえば、世論を操作するのは簡単ということになるわけ
です。では、このアプローチがどうしていけないのかというと、それは、橋下市長の
「日の丸・君が代攻勢」に対して感情的になると、組合系の先生たちは「自分たちが
反戦平和の最後の砦」という感情論からイデオロギーの喧嘩を買うことに熱心になっ
てしまうのです。政治的には橋下市長として「完勝」であり、組合は「罠にはまった」
だけということになりますが、そこで費やされるエネルギーはムダです。

 イデオロギーの土俵に相手を誘い出せば、市長は勝つでしょう。勝つのが目的なら
ばそれでもいいかもしれません。ですが、本当に大阪の教育を改革したいのなら、能
力主義や能力別の導入、指導力の評価という実務的な問題に限って「闘う」方が誠実
だと思うのです。もっと言えば、イデオロギー論議を混ぜて失敗した安倍晋三政権の
「教育改革論議」の二の舞になる危険があるということです。

 この「日の丸・君が代イデオロギー」に関して言えば、例えば君が代に反発して座
っている教師と、それに怒る校長や教委という「対立」を見せるのは生徒に失礼だと
いう議論があります。ですが、この問題に関しては「分裂しつつバランスしているこ
と」が現在の日本の「国体=国のかたち」であり、それを一方から力で抑えこんでも
教師集団の精神的な権威は向上しないということも指摘しておきたいと思います。そ
んなことより、卒業式に「共に教育関係者として卒業生を祝福すべき」存在の教育委
員を「来賓」だとして卒業生や教師全員がペコペコしなくてはいけない習慣など、直
したほうが良いことは他にあるように思うのです。

 大きな二点目は、大阪の経済成長をどこまで具体的に考えているのかという点です。
例えばこれまでの府知事としての実績や市長として取り組んでいる問題については、
そんなに「外し」はないと思います。コストカットについても、府庁舎問題について
も、行政手腕として間違ってはいないように見えます。関西3空港の問題も、非常に
合理的だと思いますし、リニアの件も本当に大阪まで来るのなら(山陽との接続問題
は考えるべきですが)梅田乗り入れが検討されるのは当然でしょう。

 カジノ誘致の構想も、ギャンブル依存症の深刻さなどを考えると気が進まない考え
であるものの、「そんなカンフル剤を打たねばならない」ほど大阪の経済が重症だと
いうことからすれば、否定は難しいと思います。お台場カジノとは意味合いが違いま
す。もう一つ、高齢者よりも現役世代を優先するという発想も、これからの都市の活
性化の中では重要な論点でしょう。この問題を正面切って取り上げていることは評価
すべきだと思います。

 ですが、例えば市長との共著本である『体制維新』で堺屋太一氏が言っているよう
な「一流のトップ100人を大阪に呼ぶ」とか「大阪歌舞伎、大阪画壇が消滅した」
ことに象徴される衰退からどうカムバックするか、というような観点から見た時に、
前向きな構想は具体的に何もないのです。

 例えば、同じ本の中で橋下市長はロンドンをライバルとして描いているようですが、
ロンドンが再生したのは欧州の金融センターとして、英語圏の強みを生かしたという
一点にかかっているわけです。では、大阪は往年のようにアジアの金融センターにな
りうるのか、というとそうした具体的な発想はないわけです。少なくともメガバンク
の本部をどうして東京に取られたのか、どうすれば取り返せるのかという発想は必要
でしょうし、日本のメガバンクよりも、中国系の銀行や欧米系の銀行・証券を招致で
きるのあれば、それでもいいわけです。

 関西圏ということでは、例えば任天堂とかワコールといった企業は少子高齢化の影
響を強く受けているわけです。そこをどうするか。例えば大阪を代表する企業である
パナソニックは、新卒採用の8割を外国人にし、物流部門をはじめとして本部機構を
シンガポールに移す構想を持っています。市長として、どうしてそうなったのか、ど
うすれば引き止められるのかという問題意識はあまり無いようです。

 もっと言えば、カジノで当面の活性化をやり、文化や思想の「古いエリート」を抹
殺するのはともかく、新しい超一流を招聘することもせず、企業がどんどん脱出した
り衰退するのを放置する、更に刹那的なポピュリズムと公共セクターの縮小だけを続
けるという延長にあるのは、「せいぜいが中国や韓国の高級下請け都市」として延命
するというビジョンしかないように見えます。

 その背景にあるのは、橋下氏のリーダーシップのスタイルです。橋下氏をヒトラー
に例える人もいるようですが、それは的外れだと思います。ヒトラーよりも、例えば
シンガポールの「創業者」李光耀(リー・クワンユー)顧問相のようなスタイルを志
向しているように見えます。アジア型の「権利を制限し、秩序を重んじる」つまりは
効率の良い開発独裁のスタイルを、右肩上がりではなく、右肩下がりの時代に適用す
る、つまり「衰退時の独裁」を通じて「延命のためのコストカット」をやっているだ
けに見えます。

 基本的には後ろ向きの戦略であり、「その先」にあるはずの「破壊の後の創造」の
ビジョンが全く見えないわけです。ではそうした「リストラ」は不要かというと実は
必要なのです。ですが、カットばかりやっていてはジリ貧になって、気がついたら本
当に中国の下請けになってしまうわけで、日本の場合にはまだまだ「ポスト産業化社
会の成熟のその先」にある「高付加価値産業」という可能性は残っているのですが、
その芽を潰すことにもなりかねません。

 もしかしたら、橋下氏はそんなことは分かっていて、自分は過渡期の壊し屋であり、
破壊を通じて形骸化したものを取り除き、「焼け野原からの復活」は別の人なり次の
世代で、という「達観」をしているのでしょうか? 橋下市長が自分は壊し屋に徹し
ているのなら良いのですが、どうもそうではないようなのです。それは国政を意識す
るような発言が出てきていることでも分かります。

 三点目はこの問題です。壊し屋のままで国政を目指すというのは、無理があります。
大阪での「ぶっ壊し」に関しては、半分は本当にぶっ壊す、つまり公費での助成を止
めたり、既得権益を取り上げたりすることが入っているわけです。残りの半分は「国
の責任」だという突っぱね方をして、地方の負担を減らすとか地方の裁量権を増やす
という方向を志向しているわけです。

 橋下市長はそれでも国政を目指す理由として、例えば大阪都構想を実現するために
は、中央レベルでの法改正が必要だという理屈をつけています。その話はテクニカル
には筋が通るのですが、仮に大阪都構想を中心に掲げて国政に影響力を持ち、更に
「劇場型」の観客に漠然と期待がある中央レベルでも「ぶっ壊し」をやってもらいた
いという話だけで中央政界に出て行っても挫折することは目に見えています。

 国政というのは財務、外交、安全保障、産業振興、農林水産行政など多岐にわたる
わけです。そこで本当に意味のある「ぶっ壊し」をやるには、大変なエネルギーが必
要でしょう。また世界のGDPで第三位の大国を「壊す」だけでは大変なことになり
ます。将来の方向性を示してゆかねば日々の決定も不可能になります。結果的に、ブ
レーンの質量が確保できなければ何も進まず、結果的に建武の新政が失敗した時の
「二条河原の落書」になるような可能性が高いと思います。

 もっと言えば、アメリカの「小さな政府論」には公費は出せないが相互扶助の仕組
みは作る、連邦はやらないが地方では自由にというような「受け皿」があるわけです。
とにかく切り捨てるだけ、ぶっ壊すだけというのは「フルスペック」の政策とは言え
ません。

 話を最初の教育改革に戻しますが、仮に既得権益に安住した「でもしか教師」の追
放ができ、能力別のクラスが動き出したとして、そこで有効な教育のメソッドとは何
なのか?教師育成のしくみはどうするのか?といった問題ははるかに難しい課題とし
てあるわけです。例えば5年後に多くの大学が9月入学になり、本当に留学生を交え
ての英語での教育が始まるのであれば、組合系の教師を追放して塾の先生を招聘する
というような「改革」では済まないわけです。

 とにかく、改革というのは「こうありたい」という前向きな情熱があって初めて前
進が可能なのであり、破壊の衝動が先行するというのは順序が逆です。と言いますか、
それでは衰退の一つのエピソードで終わるだけになってしまうのではないかと思うの
です。

 ちなみに破壊、つまり何かを終わらせるというのは、実は大変な冷静さが必要なの
だと思います。明治維新に際して、統治能力を失った江戸幕府が整然と破壊されてい
った背景には、勝海舟という静かな巨人の存在があったことを忘れてはなりません。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空
気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』。訳書に『チャター』
がある。 またNHKBS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。

◆"from 911/USAレポート"『10周年メモリアル特別編集版』◆
「FROM911、USAレポート 10年の記録」 App Storeにて配信中
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●編集部より 引用する場合は出典の明記をお願いします。
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JMM [Japan Mail Media]               
No.671 Saturday Edition
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【発行】  有限会社 村上龍事務所
【編集】  村上龍
【発行部数】99,605部
【WEB】   ( http://ryumurakami.jmm.co.jp/ )


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テーマ : 地方行政と政治
ジャンル : 政治・経済

この違和感を何とかうまく説明したい???

見張ろうと思ってたが、とにかく仕事が速い!
政治家として。

あくまでも政治家としてです。
完全に、ベンチャー系の経営者感覚のようである。
民間の経営者感覚としては、ごく当然と言えば当然。
しかしながら、やっぱりちょっと、????
ということを感じる。
あの、ツイッターはやりずぎじゃないかい?


という違和感を、をうまくいえないと思ってたら、
ちゃんと説明してくださる方がいらっしゃいました。
以下完全転載。



報道ステーション・サンデーで、橋下市長と、『橋下主義(ハシズム)を許すな!』を共著した北海道大学の山口二郎教授と直接対決させていました。番組は、橋下市長の一方的なペースとなり、山口教授が言葉を失う展開となりましたが、そのことがツイッターなどでも話題になっていました。

皮肉なことに、対決どころか、橋下市長の全国の視聴者にむけた格好のプレゼンテーションの場になっていたように感じます。しかしなぜ反橋下キャンペーンを行った人たちは共感をえることもできず、また非力なのか、個別の問題を取り上げ批判するしかできないのかに関心を持ってしまいました

反橋下キャンペーンを行なった人たちの主張はさまざまでしょうが、大きくまとめると、橋下市長のキャラクターや振る舞いへの感情的反発、教育を聖域とし政治が介入してくることへの警戒感、とくに教育に競争を持ち込むことへの反発、組合へのシンパシー、体制や仕組みの構造的な変革に対する不安、またそれによって既得権益を失うリスクへの恐れが柱になっているのだと思います。

山口教授たちが決定的に間違ったのは、橋下市長批判をすることはいいとしても、政治に強く関与してしまい、本来の時代を客観的に見ようとするポジションをあっさり放棄してしまったことでした。選挙のさなかに「ファシズム」を意図的に連想させる「ハシズム」を使ったキャンペーンに加担してしまったのです。

ほんとうにファシズムなのだろうか、その批判と現実のギャップを多くの人が感じたのだと思います。ナチズムが広がった原動力としては、ナチスの親衛隊の威圧、反対者を圧殺する装置の存在が欠かせません。日本ではそれを特高警察や憲兵が担ったわけですが、そのような民衆、企業家にたいする抑圧は現実には存在しません。

しかも、結果として、既成政党や職員組合、また日教組、さらに既得権益を守ろうとした人たちから政治利用された、あるいはすすんで協力してしまったのです。多くの人たちが矛盾を感じてノーをつきつけた古い殻、その矛盾を温存しようとする古い体制側にまわってしまったのです。そんな主張が共感を呼ぶわけがありません。

実際、行政に限らず、企業でも企業が変わっていこうとすると、さまざまなしがらみ、組織の慣性と闘い、社内の体質や組織を変革していくリーダーが必要になってきます。強いリーダーが存在することがファシズムだと感じるか、それぐらいエネルギッシュになってくれないと何も変らないと感じるかで違いがでたのでしょう。

しかし、橋下市長が指摘していたように、批判する側は、なにの変革への具体的なビジョンを示さず、言葉を弄んで批判だけしているように感じてしまうのです。結局は古い殻を改善はしても壊すなという主張にしか聞こえてこないのです。

第二は、山口教授の発言に、橋下市長も反発していましたが、府民や市民を信頼していない、教育者のほうが正しく、それに府民や市民がかかわることは間違いだとするエリート主義をも感じさせるものがあったということです。しかも、教育に関するさまざまな考え方はあってもいいのですが、なにか浮世離れを感じてしまうのです。
かつての高度成長期には、赤信号もみんなで渡れば怖くないという時代もありました。しかし、その後に経済が成熟してくると、実際には社会にでれば、過去の時代とは比べものにならないくらいの競争が起こっています。さらに将来は、現代よりもさらに国境を超えた人材競争が起こってくることはもう止めようのない現実です。

そんな競争環境のなかでたくましく生きていく心の強さや知恵が必要になってきます。競争環境への耐性をもつためには、それぞれ、自分の強みや適正に気づき、個性を磨き、個人のアイデンティティを持つことが必要になってきますが、それは競争環境のなかでひとりひとりが発見していくものです。そんな機会を今の教育が子供達に与えるとはとうてい思えません。学校教育への不満は潜在的に広がっている現実をもっと感じてもらいたいのです。

さらに、現実を直視しない、現実、現場を調査しないで、断片だけ取り上げ批判するということの非力さです。報道ステーション・サンデーでは、山口教授は気の毒なぐらいそれを見せてしまいました。信じられないことで、主義主張が先行し、それが思い込みとなって、現実とは異なる発言をしてしまったことです。また、それがこれまでの古い体制や既得権益を容認することになってしまいます。

たとえば、行政を広域で展開することになぜ反対するのかが現地にいると理解できません。大阪市と大阪府は、いやもっと京都や阪神間を含めると兵庫県まで、実際の経済や社会は、広域化しているのが現実です。たとえば、モノづくりの拠点は東大阪市や守口市、門真市に集積し、コンビナートなどは堺市に集積しています。都市機能として、大学や研究機関の存在も欠かせませんが、実際には大阪市内はそれらが薄く、大阪府下、また県外に広がっています。

IT企業は、大阪市内である新大阪あたりから吹田市の江坂地域にシームレスに集積しています。産業政策にしても、実際にはすくなくとも大阪府の広域でやらないと実効性が薄いのですが、現実は大阪市は大阪市、大阪府は大阪府、近郊都市は近郊都市でやることがバラバラで連携がほとんどありません。大阪市と大阪府の境界など、実際の生活にしても、ビジネスにしても意味が無いのですが、行政だけが分かれているのです。なぜ府と市で一体とする行政組織に変えてはいけないのかに対する心に響く反論がありません。結局は他人ごとなのです。

提案したいのは、感情で判断すること、思想で現実の課題を覆い隠すことはやめようということです。より創造的に考える事です。事実にもとづいて、なにが課題で、なにを解決すればいいのかを、住民の立場、そこで経済活動を行なっている企業の立場、利益にたって判断していけばいいのだと思います。

すべての人が満足する、すべての人が納得する政策は現実にはなかなかありません。職員や教員の評価制度を導入し、教育の質を上げようという動きは、それまで人事まで介入していた組合幹部の利権が失われます。しかし、逆に職員や教員は組合幹部、組合組織からの圧力からは逃れることができます。政策としてどちらを取るのかの選択です。しかし現実には、もっとも影響をうける子どもや両親よりは、声の大きな組織の利益が優先されてきます。

経済や社会が成熟し複雑化してくると、ますます現実から課題を抽出し、優先順位を決め、解決していくダイナミズムが重要になってきます。もっと建設的な批判、もっと人びとの共感を呼ぶ批判が、おそらく橋下市長や維新の会を鍛え、磨いていくのでしょう。

作家の渡辺淳一さんも橋下さんにやらせてみたいと語り、またツイッターで、ソフトバンクの孫さんが橋下市長にエールを送っていらっしゃいましたが、潜在力がありながら、地盤沈下してしまった大阪を立て直すことは、東京というシングル・コアしか持たない、したがって多様性に限界のある日本が複数のコアを持つ点で、日本にとっても重要であり、また制度疲労を起こしてしまった日本の政治や行政を変革する力となってくると感じます。

いきなり「お前はファシズムだ」という乱暴な決め付け、誹謗中傷をするのではなく、ぜひとも大阪にとって、どのようなことが大阪の活力再生になるのかの知恵づくりに参加するなり、支援をしていただければと願うばかりです。


http://agora-web.jp/archives/1423165.html
大西宏氏 アゴラ記事より



このモヤモヤ感を、こんなにうまく解説してくれるなんて、
やっぱり、広く世に問うべきということか・・・・・・・


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テーマ : 政治家ネタ
ジャンル : 政治・経済

待機児童と個人収入、税収アップ・・・

投票したものの責任をとる!
なんてエラそーなことを思い、このブログを始めたが、
橋下徹は、かなり本気で突っ走っていてこのブログでなかなかついてゆけない・・・・




 大阪市の橋下徹市長は7日、待機児童の解消策として、保育士らがマンションなどで少人数の乳幼児を預かる「保育ママ」を、来年度から完全登録制にする方針を明らかにした。これまでは待機児童が発生した分だけ募集していたが、あらかじめ保育ママを確保しておく「バンク」の創設が、問題解消には有効と判断。保育ママの登録制導入は全国初で、育児を終えた世代の雇用対策にもなりそうだ。

 この日出演した読売テレビの番組で明らかにした。

 現在の大阪市の保育ママ制度は、民間保育所を経営する社会福祉法人の保育士が、マンションの一室などに保育室を確保し、保育所のサポートを受けながら児童を10人単位で受け入れている。現在は市内8か所で実施、今年度に新たに2か所の開設を予定する。

 しかし、橋下市長は待機児童解消のためには、法人型ではなく、保育スペースを確保しやすい個人型の導入が必要だと主張。「やりたい人は研修を受けて登録し、家で子どもを預かってもらえばいい」と述べた。

 市は、研修や実習を受ければ保育士資格がなくても登録できるようにする方針で、2人で児童5人を保育する体制を想定。報酬は児童1人あたり月10万4000円。市内の待機児童数は昨年10月現在1208人。

(2012年1月7日 読売新聞)




やるやん!
国の法律が変わるの待ってたらいつまでたってもできん・・・・

子供を預けて働きに出たい・・・・そんな若い母親はけっこう多いはず。


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公務員改革・・・その1

公務員改革・・・・
この不景気に所得減?
どこまでやってくれる?
その一環としての公務員改革・・・・
まあ、これ見りゃ無理もないが・・・

koumuin


仕事中に何をやっとるのか、この大阪市役所連中は!
あげくの果てに、この言いざま!!!

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で、言ってることはごく当たり前のこと・・・



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”決定できる、責任のとれる民主主義”

体制維新――大阪都 (文春新書)体制維新――大阪都 (文春新書)
(2011/11/01)
橋下 徹・堺屋 太一

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言ってる内容はイチイチご尤もな内容である。
だからそれゆえに、まんま鵜呑みにすることだけはやめよう。
そのためにこそ、このブログを始めたんだから・・・・・







つまり、こういうことなのであろうが、本当に本気でやってくれるのか!?
行政論は確かに難しい。
専門家でないとわからない。
が、大学の教授たちの無責任なお話はもうききたくない。
どうやら、行政組織論とは、もはや学問ではないようなのだ・・・・

mission



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大阪都構想について・・・転載です。

行政の経営分析―大阪市の挑戦行政の経営分析―大阪市の挑戦
(2008/11/19)
上山 信一、大阪市役所 他

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『大阪都構想』なるものについての批判として、
ホントに、ちゃんと勉強してる人は少ない。
驚くことに、マスコミでもわかってる人が少ない。
本来どこから、どういう発想から始まったものなのか・・・・いい記事があったから、転載しておきます。


「新・地方自治論」の記事も今年最後の記事となりました。
このコラムをお読みいただきました皆様。ありがとうございました。
来年が良い年になりますよう、祈念しております。
来年は、私は福岡の大学で教えるチャンスをいただけることとなりそうです。
これまで以上に、皆さんに地域や自治体の実情と改革案をお伝えしていければと思います。
さて、この1年、地方自治にとって大きな出来事のあった年でした。まずは、
3月11日の大地震。被災した東北地方は言うまでもなく、
多くの自治体に、災害などの緊急事態に対する意識の変化を迫りました。
今まで「地震対応」といっても多くの自治体は毎年の避難訓練などを淡々と行うだけでしたが、
これではいけないという意識が芽生えました。
もう1つの意識の変化は、災害で被害を受けた時に、
ダメージをどのように少なくして自治体の業務を再開できるかという問題です。

 多くの自治体の非常用電源は役所の地下にあります。
戸籍や税などITシステムのデータベースも、
市役所の中のサーバーに置いてある自治体がたくさんあります。
コストはかかりますが、より安全なところに移したり、
データを複数の場所に保存したりするなどの対策を検討した自治体もあります。

 ただ少し気になるのは、この教訓が早くも風化している気配があることです。
なかなか、予算は厳しいものがあります。
特に西日本は、大地震と福島第一原発事故の影響をほとんど受けていません。
来年度、今述べたような対策についてどの程度の予算額がついているか、
その実態調査を注視していかなくてはなりません。


実行してくれるリーダーだからブレーンは離れない
 3月11日の地震以上に地方自治に大きな影響をもたらしそうなのが、橋下徹・新大阪市長の誕生です。
県庁所在地の市長と知事はたいてい仲が悪いのが定番ですが、大阪の場合は、市長と知事が同じ政策でコンビを組んで戦い、勝利しました。
 まず、橋下市長の特徴ですが、非常に優れたブレーンがついていて、その人たちが離れていきません。
大阪府知事時代の橋下氏のブレーンの一部を挙げると以下の通りです。

【大阪府特別顧問】(敬称略)
安藤 忠雄 (建築家)
上山 信一 (慶応義塾大学総合政策学部教授、元大阪府顧問、元マッキンゼー)
北川 正恭 (元三重県知事、早稲田大学大学院教授)
藤原 和博 (元杉並区立和田中学校校長) 等々

 この人たち以外にも堺屋太一氏や「百ます計算」を普及させたことで知られる陰山英男氏など多士済々です。
 なぜ、橋下市長のところには有名なブレーンがたくさんいるのでしょうか。それは単純なことなのですが、自分たちが出したアイデアを橋下氏が実行しようとしてくれるからです。そして、それを実現する力があるということです。


口先だけで改革に本気で取り組まない市長たち
 多くの有名なコンサルタントや企業家にとって、例えば行革の委員に就任したとしても、役所が払ってくれる日当は1日1万~2万円程度ですので、もともとの彼らの稼ぎと比べると10分の1以下です。自治体の仕事を手伝うのは、完全なボランティアなのです。

 では、なぜ手伝うかというと、自分の生まれ故郷を良くしたいとか、少しでも世の中が良い方向に変わっていくための手伝いをしたいという気持ちがあるからです。委員になって知名度を上げてやろうという考えの人もいますが、ごく少数です。

 私もさいたま市の行政改革関係の委員に選ばれていましたが、日当は1万円くらいでした。往復4時間かけて会議に出席し、会議は2時間あまり。収支という面では完全な赤字です。熊本市の市民参加条例を作成する委員を引き受けたこともありますが、この時は横浜から熊本まで往復7時間、会議に2時間。これも同様に大赤字でした。

 しかし、私の知る限り、若くして当選し「改革派」と目される市長であっても、仕事のできるコンサルタントなどが委員や顧問を本気で引き受けている事例は多くありません。これも理由は非常に簡単で、コンサルタントが行革の委員として良いアイデアを出したとしても、その市長が本気で取り組もうとしてくれるとは思えないからです。
 私はある市長に頼まれて、行政改革のアドバイザーを紹介しました。改革で有名だったある大きな市で実績を上げた経験豊富な優れた実務家です。1年後に久しぶりにこの方とお会いしたので、「改革はどこまで進みましたか?」とお尋ねしたところ、「委員は辞めちゃおうと思ってます」と思わぬ返事が返ってきました。
なぜかというと、市長にアイデアを出しても、市役所の幹部が反対しているとか、議会に説明するのが難しいとか、できない理由ばかりを挙げて本気で実行に移そうとしないからだそうでした。
 実際には、どこの市でも改革プランの立案自体はそう難しいことではありません。企業なら当たり前の朝礼ですら、大部分の自治体は行っていません。朝は、ミーティングもなく、始業のチャイムとともに静かに、しかし締まりなく始まるのです。


大阪市改革の作戦はすでに4年前に立てられていた
 橋下市長の主な政策は、公務員制度改革や、地下鉄の民営化、大阪府と大阪市の二重行政の解消、大阪都構想などのプランがあります。実現は難しいと思っている人が多いのではないかと思いますが、人気が維持できさえすれば(都構想を除いては)実現は難しくないと思います(大阪維新の会のマニフェストはこちら)。
 なぜなら、マスコミはほとんど報道しませんが、大阪市の問題点や大阪府と大阪市の二重行政の課題はすでにきちんとした分析が終わっているからです。上山信一氏がマッキンゼーなどの腕利きのコンサルタントを投入して徹底的に分析をしています。それも4年も前に。

 そして、その作業を通じて大阪市職員の中で改革に前向きな人は誰だとか、反対する議員は誰だとかという情報収集も終わっているのです。
 今回の選挙で落選した前市長の平松邦夫氏は、4年前の選挙で現職の関淳一市長を破ったのですが、改革つぶしに公務員労働組合が担いだ人です。実際は改革派でもなんでもありませんでした。
 歴代の大阪市長は、助役(副市長)から市長になる人ばかりで、市議会の自民党と民主党と公務員労働組合が権益を分け合っているという構図でした。平松氏が4年前に破った関市長ももともとはその流れにいる人でしたが、大阪の凋落を目の当たりにして、これではいけないということで関市長は改革派に変身したのです。

 関市長は公務員の厚遇や同和問題などにも手をつけ、地下鉄の民営化も打ち出しました。当時、すでに上山信一氏のチームがコンサルタントを投入して、職員とともに各局の事業をこと細かに洗い出していました。
 ちなみに、多くの自治体では、行革委員会に提出する資料の作成は市役所職員が行います。しかし、これは甘い資料になりがちです。大阪市の分析の場合は、外部のバリバリのコンサルタントがボランティア精神で駆けつけ、職員を指導しながら分析を行いました。その結果、政府の事業仕分けの資料をはるかに上回る緻密さと企業経営の感覚が入った改善案が出来上がっています。
 ですから、大阪都構想以外については、4年前の分析と改善案がほとんどそのまま使えるのです。なお、この分析を基にした本が出版されています。『行政の経営分析』というタイトルの本です。


世論の支持があれば議会対策は大丈夫
 このように大阪市の場合は、4年前に問題点の分析と改善策の立案が終わっており、しかもそれが今もそのまま使えますし、誰が改革派の職員であるかも分かっています。あとは改革を粛々と実行していくだけなのです。
 また、地下鉄については、地下鉄の幹部は民営化した方が自分たちの給料が良くなることが分かっています。民営化したJRの現状を知っているからです。交通局長だと、副市長よりも給料は安いのですが、JRの幹部職員クラスと同等になればもっと収入が見込めます。交際費も使えます。
 JRの幹部となると70歳以上でも顧問として良い給料をもらえますし、天下り先もあります。JRはパン屋をやったり、駅の中にショッピングセンターを作ったりするなど、いろんなビジネスを展開していますが、地下鉄が民営化されるとそれもやりやすくなります。だから、思ったほどに地下鉄職員の反対は強くないのです。
 問題は議会ですが、これは世論の圧倒的な支持がある間は怖くはありません。市議会議員は次の自分の選挙のことが第一なので、徹底的な反対はできません。

 では、世論の圧倒的な支持が続くのかどうか?

 このためには、3カ月おきに世間の耳目を集めるテーマを打ち出さなくてはなりません。野田佳彦総理の支持率が急落したように、何もしなければ民意はすぐに離れます。
 当面は、「市役所職員にはこんなにたくさん天下りポストがある」といった話でマスコミは賑わうでしょうが、このテーマは長くても1年。脱原発の対策については、大阪府市統合本部顧問に就任した元経済産業省官僚の古賀茂明氏がどんなタマを出してくるか。


大阪都の実現が地方自治を変える
 そして、最大の選挙の争点であった「大阪都構想」が実現に向けて動き出すかどうかが、鍵を握っています。この点では、みんなの党という援軍が現れました。みんなの党の政策ブレーンである原英史氏(政策コンサルタント、元経産官僚)が、大阪都構想が実現できるように地方自治法の改正案を準備中なのだそうです。次の通常国会に提出予定と聞いています。
 大阪都の誕生を可能にする地方自治法の改正案は、立法技術上はあまり難しくはありません。大阪府と大阪市が合意すれば、都と特別区の制度を選択することができるようにするだけです。府と市で話し合う場をつくり、お互いが調整したものを国に届け出るようにすれば実現するはずです。
 財務省や、本来は地方自治を推進する立場である総務省がとても嫌がると思いますが、大阪都構想が実現できる法律改正案が、次の総選挙前に国会に提出されるということは、橋下氏にとって大きな追い風になります。
 なぜなら、この改正案に賛成かどうかで候補者の応援を決めたり、候補者を独自に立てることができるからです。
 国の主要な権限を特区制度で地方に認めた例はこれまでありません。一地方自治体の問題提起がもとになって、特区を上回る地方自治法の改正案が国会に提出されるということが、もしかしたら道州制の実現のための大きな一歩となるかもしれません。
 地方が話し合って自分たちの地域の政治制度を決められるようにするのは、とても素晴らしいことです。国の決めた地方自治制度になんでも従うという精神構造を大きく変えることとなるでしょう。
 本来なら、各地の知事や市長がこぞってこの法改正を応援すべきです。国の意向にかかわらず、地方の判断で地方の統治の仕組みが決められるようになれば、素晴らしいことです。
 例えば横浜市ならば、神奈川県から完全に外れて横浜市内に東京23区のような特別区制度を引くことができれば、それも素晴らしいことだと思います。政令市を県庁から独立させる制度に賛成の地域はそうすればいいし、逆に大阪都構想のように市を再編成する考え方もありです。
大阪都構想、ぜひ成功してほしいと思います。


JBプレス
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/33362
木下敏之


要するに、”やるべきことはわかってるんだけど、やる?やらない?どっち!?”
というところでしょうか・・・・・・







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橋下改革情報・・意外に詳しいです!
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