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大阪都構想について・・・転載です。

行政の経営分析―大阪市の挑戦行政の経営分析―大阪市の挑戦
(2008/11/19)
上山 信一、大阪市役所 他

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『大阪都構想』なるものについての批判として、
ホントに、ちゃんと勉強してる人は少ない。
驚くことに、マスコミでもわかってる人が少ない。
本来どこから、どういう発想から始まったものなのか・・・・いい記事があったから、転載しておきます。


「新・地方自治論」の記事も今年最後の記事となりました。
このコラムをお読みいただきました皆様。ありがとうございました。
来年が良い年になりますよう、祈念しております。
来年は、私は福岡の大学で教えるチャンスをいただけることとなりそうです。
これまで以上に、皆さんに地域や自治体の実情と改革案をお伝えしていければと思います。
さて、この1年、地方自治にとって大きな出来事のあった年でした。まずは、
3月11日の大地震。被災した東北地方は言うまでもなく、
多くの自治体に、災害などの緊急事態に対する意識の変化を迫りました。
今まで「地震対応」といっても多くの自治体は毎年の避難訓練などを淡々と行うだけでしたが、
これではいけないという意識が芽生えました。
もう1つの意識の変化は、災害で被害を受けた時に、
ダメージをどのように少なくして自治体の業務を再開できるかという問題です。

 多くの自治体の非常用電源は役所の地下にあります。
戸籍や税などITシステムのデータベースも、
市役所の中のサーバーに置いてある自治体がたくさんあります。
コストはかかりますが、より安全なところに移したり、
データを複数の場所に保存したりするなどの対策を検討した自治体もあります。

 ただ少し気になるのは、この教訓が早くも風化している気配があることです。
なかなか、予算は厳しいものがあります。
特に西日本は、大地震と福島第一原発事故の影響をほとんど受けていません。
来年度、今述べたような対策についてどの程度の予算額がついているか、
その実態調査を注視していかなくてはなりません。


実行してくれるリーダーだからブレーンは離れない
 3月11日の地震以上に地方自治に大きな影響をもたらしそうなのが、橋下徹・新大阪市長の誕生です。
県庁所在地の市長と知事はたいてい仲が悪いのが定番ですが、大阪の場合は、市長と知事が同じ政策でコンビを組んで戦い、勝利しました。
 まず、橋下市長の特徴ですが、非常に優れたブレーンがついていて、その人たちが離れていきません。
大阪府知事時代の橋下氏のブレーンの一部を挙げると以下の通りです。

【大阪府特別顧問】(敬称略)
安藤 忠雄 (建築家)
上山 信一 (慶応義塾大学総合政策学部教授、元大阪府顧問、元マッキンゼー)
北川 正恭 (元三重県知事、早稲田大学大学院教授)
藤原 和博 (元杉並区立和田中学校校長) 等々

 この人たち以外にも堺屋太一氏や「百ます計算」を普及させたことで知られる陰山英男氏など多士済々です。
 なぜ、橋下市長のところには有名なブレーンがたくさんいるのでしょうか。それは単純なことなのですが、自分たちが出したアイデアを橋下氏が実行しようとしてくれるからです。そして、それを実現する力があるということです。


口先だけで改革に本気で取り組まない市長たち
 多くの有名なコンサルタントや企業家にとって、例えば行革の委員に就任したとしても、役所が払ってくれる日当は1日1万~2万円程度ですので、もともとの彼らの稼ぎと比べると10分の1以下です。自治体の仕事を手伝うのは、完全なボランティアなのです。

 では、なぜ手伝うかというと、自分の生まれ故郷を良くしたいとか、少しでも世の中が良い方向に変わっていくための手伝いをしたいという気持ちがあるからです。委員になって知名度を上げてやろうという考えの人もいますが、ごく少数です。

 私もさいたま市の行政改革関係の委員に選ばれていましたが、日当は1万円くらいでした。往復4時間かけて会議に出席し、会議は2時間あまり。収支という面では完全な赤字です。熊本市の市民参加条例を作成する委員を引き受けたこともありますが、この時は横浜から熊本まで往復7時間、会議に2時間。これも同様に大赤字でした。

 しかし、私の知る限り、若くして当選し「改革派」と目される市長であっても、仕事のできるコンサルタントなどが委員や顧問を本気で引き受けている事例は多くありません。これも理由は非常に簡単で、コンサルタントが行革の委員として良いアイデアを出したとしても、その市長が本気で取り組もうとしてくれるとは思えないからです。
 私はある市長に頼まれて、行政改革のアドバイザーを紹介しました。改革で有名だったある大きな市で実績を上げた経験豊富な優れた実務家です。1年後に久しぶりにこの方とお会いしたので、「改革はどこまで進みましたか?」とお尋ねしたところ、「委員は辞めちゃおうと思ってます」と思わぬ返事が返ってきました。
なぜかというと、市長にアイデアを出しても、市役所の幹部が反対しているとか、議会に説明するのが難しいとか、できない理由ばかりを挙げて本気で実行に移そうとしないからだそうでした。
 実際には、どこの市でも改革プランの立案自体はそう難しいことではありません。企業なら当たり前の朝礼ですら、大部分の自治体は行っていません。朝は、ミーティングもなく、始業のチャイムとともに静かに、しかし締まりなく始まるのです。


大阪市改革の作戦はすでに4年前に立てられていた
 橋下市長の主な政策は、公務員制度改革や、地下鉄の民営化、大阪府と大阪市の二重行政の解消、大阪都構想などのプランがあります。実現は難しいと思っている人が多いのではないかと思いますが、人気が維持できさえすれば(都構想を除いては)実現は難しくないと思います(大阪維新の会のマニフェストはこちら)。
 なぜなら、マスコミはほとんど報道しませんが、大阪市の問題点や大阪府と大阪市の二重行政の課題はすでにきちんとした分析が終わっているからです。上山信一氏がマッキンゼーなどの腕利きのコンサルタントを投入して徹底的に分析をしています。それも4年も前に。

 そして、その作業を通じて大阪市職員の中で改革に前向きな人は誰だとか、反対する議員は誰だとかという情報収集も終わっているのです。
 今回の選挙で落選した前市長の平松邦夫氏は、4年前の選挙で現職の関淳一市長を破ったのですが、改革つぶしに公務員労働組合が担いだ人です。実際は改革派でもなんでもありませんでした。
 歴代の大阪市長は、助役(副市長)から市長になる人ばかりで、市議会の自民党と民主党と公務員労働組合が権益を分け合っているという構図でした。平松氏が4年前に破った関市長ももともとはその流れにいる人でしたが、大阪の凋落を目の当たりにして、これではいけないということで関市長は改革派に変身したのです。

 関市長は公務員の厚遇や同和問題などにも手をつけ、地下鉄の民営化も打ち出しました。当時、すでに上山信一氏のチームがコンサルタントを投入して、職員とともに各局の事業をこと細かに洗い出していました。
 ちなみに、多くの自治体では、行革委員会に提出する資料の作成は市役所職員が行います。しかし、これは甘い資料になりがちです。大阪市の分析の場合は、外部のバリバリのコンサルタントがボランティア精神で駆けつけ、職員を指導しながら分析を行いました。その結果、政府の事業仕分けの資料をはるかに上回る緻密さと企業経営の感覚が入った改善案が出来上がっています。
 ですから、大阪都構想以外については、4年前の分析と改善案がほとんどそのまま使えるのです。なお、この分析を基にした本が出版されています。『行政の経営分析』というタイトルの本です。


世論の支持があれば議会対策は大丈夫
 このように大阪市の場合は、4年前に問題点の分析と改善策の立案が終わっており、しかもそれが今もそのまま使えますし、誰が改革派の職員であるかも分かっています。あとは改革を粛々と実行していくだけなのです。
 また、地下鉄については、地下鉄の幹部は民営化した方が自分たちの給料が良くなることが分かっています。民営化したJRの現状を知っているからです。交通局長だと、副市長よりも給料は安いのですが、JRの幹部職員クラスと同等になればもっと収入が見込めます。交際費も使えます。
 JRの幹部となると70歳以上でも顧問として良い給料をもらえますし、天下り先もあります。JRはパン屋をやったり、駅の中にショッピングセンターを作ったりするなど、いろんなビジネスを展開していますが、地下鉄が民営化されるとそれもやりやすくなります。だから、思ったほどに地下鉄職員の反対は強くないのです。
 問題は議会ですが、これは世論の圧倒的な支持がある間は怖くはありません。市議会議員は次の自分の選挙のことが第一なので、徹底的な反対はできません。

 では、世論の圧倒的な支持が続くのかどうか?

 このためには、3カ月おきに世間の耳目を集めるテーマを打ち出さなくてはなりません。野田佳彦総理の支持率が急落したように、何もしなければ民意はすぐに離れます。
 当面は、「市役所職員にはこんなにたくさん天下りポストがある」といった話でマスコミは賑わうでしょうが、このテーマは長くても1年。脱原発の対策については、大阪府市統合本部顧問に就任した元経済産業省官僚の古賀茂明氏がどんなタマを出してくるか。


大阪都の実現が地方自治を変える
 そして、最大の選挙の争点であった「大阪都構想」が実現に向けて動き出すかどうかが、鍵を握っています。この点では、みんなの党という援軍が現れました。みんなの党の政策ブレーンである原英史氏(政策コンサルタント、元経産官僚)が、大阪都構想が実現できるように地方自治法の改正案を準備中なのだそうです。次の通常国会に提出予定と聞いています。
 大阪都の誕生を可能にする地方自治法の改正案は、立法技術上はあまり難しくはありません。大阪府と大阪市が合意すれば、都と特別区の制度を選択することができるようにするだけです。府と市で話し合う場をつくり、お互いが調整したものを国に届け出るようにすれば実現するはずです。
 財務省や、本来は地方自治を推進する立場である総務省がとても嫌がると思いますが、大阪都構想が実現できる法律改正案が、次の総選挙前に国会に提出されるということは、橋下氏にとって大きな追い風になります。
 なぜなら、この改正案に賛成かどうかで候補者の応援を決めたり、候補者を独自に立てることができるからです。
 国の主要な権限を特区制度で地方に認めた例はこれまでありません。一地方自治体の問題提起がもとになって、特区を上回る地方自治法の改正案が国会に提出されるということが、もしかしたら道州制の実現のための大きな一歩となるかもしれません。
 地方が話し合って自分たちの地域の政治制度を決められるようにするのは、とても素晴らしいことです。国の決めた地方自治制度になんでも従うという精神構造を大きく変えることとなるでしょう。
 本来なら、各地の知事や市長がこぞってこの法改正を応援すべきです。国の意向にかかわらず、地方の判断で地方の統治の仕組みが決められるようになれば、素晴らしいことです。
 例えば横浜市ならば、神奈川県から完全に外れて横浜市内に東京23区のような特別区制度を引くことができれば、それも素晴らしいことだと思います。政令市を県庁から独立させる制度に賛成の地域はそうすればいいし、逆に大阪都構想のように市を再編成する考え方もありです。
大阪都構想、ぜひ成功してほしいと思います。


JBプレス
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/33362
木下敏之


要するに、”やるべきことはわかってるんだけど、やる?やらない?どっち!?”
というところでしょうか・・・・・・







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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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