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大阪の”実情”について

その言動から誤解を招くのは致し方ない・・・・
けど、ちゃんとがんばってくださっています!我がナニワの市長は!!!


ダイヤモンドオンラインより転載
http://diamond.jp/articles/-/21952

「橋下ポピュリズム論」の誤解と曲解
市民の既得権が子どもを蝕む大阪市の“歪んだ実態”


税収減で、借金を増やしながらの手厚さ
大阪市に見る行政サービスの「偏り」

税金の使い方にどうにも納得がいかないと、首を傾げる人が多い。もちろん、誰からも不平不満の出ない税金の使い方などあり得ないが、それにしてもおかしいというのである。

 相変わらず続く無駄遣いへの怒りだけではなく、時代や状況の変化に対応せず、同じような予算配分を漫然と繰り返すことへの不満も強まっている。税金を投入する優先順位に歪みがあり、住民二ーズとの間にズレが生じているとのやり切れない思いだ。

 実際、行政サービスの構造が硬直化し、新たな二ーズに的確に対応できずにいる自治体は多い。これまでのサービスが既得権化し、なかなかメスを入れられずにいるのである。

 役割をすでに終えたものや過大・過剰な行政サービスの見直しに、首長や議会、行政が尻込みしてしまうからだ。住民が直接、享受しているものが少なくなく、反発を恐れているのである。

 確かに、誰もが一度、手にしたメリットは手離したくないと思うものだ。また、サービスを受けているうちに、いつの間にか、受けられるのが当たり前と思ってしまいがちだ。他所の地域の実情を知らないため、それが破格のサービスであっても厚遇と気付かず、平然としていられるのである。

 税金が使い切れないほど集まった時代ならば、それもわからぬでもないが、そんな夢のような時代はとうに過ぎ去っている。財政が悪化の一途をたどるなかで、既得権化した行政サービスを漫然と継続し続けていたら、大きなしわ寄せがあちらこちらに出てくるのは当然だ。その典型事例が、これまでの大阪市である。

 市職員や市議への大盤振る舞いで批判を浴びた大阪市だが、実は、一部市民も様々な厚遇を享受していた。

 たとえば敬老パスだ。大阪市は70歳以上の全市民に対し、大阪市営交通(地下鉄・バス・ニュートラム)を無料で利用できる敬老優待乗車証を交付している。



タダの敬老バスに水道料金の減免
24の行政区に溢れる過剰な「箱モノ」

本人はタダでバスなどに乗れるが、利用料金を市福祉局が本人に代わって市交通局に支払うという仕組みとなっている。1972年から始められた福祉事業で、当時の対象者(70歳以上)は市民の3%程度にすぎず、市の負担額は年間約8億円だった。

 その後、高齢化が急速に進み、対象者は約36万人に膨れ上がった。市民の13.5%にあたり、市の負担額も年間約90億円に至った。元気な高齢者も多く、敬老パス利用者の年間最高利用額は80万円にも上るという。

 こうした敬老パスは、大阪市が諸制度を比較対照する横浜市や名古屋市、京都市、神戸市の4市にもあるが、本人の利用額や所得に応じた一部負担を設けずに完全無料なのは、大阪市のみである。

 大阪市には高齢者世帯の上下水道料金を減免する制度もある。基本料金分(上下合わせて月1576円)を減免するもので、使用量の少ない高齢者世帯にとって、上下水道料金が事実上タダになるありがたい制度だ。こちらも対象世帯を所得や資産などで限定しておらず、比較4市にない破格のサービスとなっている。

 大阪市の行政サービスの手厚さは、高齢者に限ったものではない。市民が利用する各種施設、いわゆる箱モノの充実度も突出している。

 24区ごとにスポーツセンターや屋内プール、子ども・子育てプラザ、老人福祉センターが設置され、さらに全市的な拠点施設が各種、整備されている。人口あたりの施設の整備状況は、比較4市を大きく引き離している。

 もともと狭い大阪市が24の行政区に分かれているのである。横浜市(18行政区)や名古屋市(16行政区)などと比べると、1区平均の人口や面積はずっと小さく、細分化されている。

 それでも各行政区ごとに同種の施設を公平に整備してきたため、当然のことながら、箱モノが増えることになったのである。合理的な配置を考えようものならば、24区ごとに選出される市議会議員が黙っていないからだ。


「クーラー」も「給食」もない!?
子どもは劣悪な環境で学力が低下

大阪市で比較4市の水準を大きく上回る施策や事業がある一方で、そのしわ寄せをもろに受けたと思われる分野がある。子どもたちへの予算配分、つまり教育の分野である。

 大阪の子どもたちは、学力と体力の両面で低迷している。とりわけ、中学生の学力不足が深刻化している。文部科学省が行なった全国学力テスト(2010年)で、大阪の中学生は47都道府県の中で45位。ビリは免れたものの、下から3番目という、目を覆いたくなるような成績だ。

 なぜ、大阪の子どもたちが成績不振なのか。要因の1つに教育環境の劣悪化があげられる。

 大阪市の小中学校では、教室に空調機が設置されていない。音楽室や図書室、校長室や職員室、保健室などに例外的に設置されているだけで、普通教室にはクーラーはない。それどころか、扇風機の設置も進んでおらず、小中学校の全教室の約3割に留まっているという。

 年々、都市部の酷暑が進行している。大阪もその例外ではなく、かなり以前からクーラー設置を望む声が上がっていたが、一向に予算化されなかった。昨年9月にやっと設置の方針が決まったが、教育関連の予算全体を増やし、早急に進めるべきだったのではないか。

 また、大阪市の中学校では給食が実施されていない。保護者などが「愛情(家庭)弁当」を持たせるべきだとの「教育的な考え方」によるそうだ。しかし、小学校では給食が実施されていることから、当局の言い逃れにしか聞こえない。

 共働きで、朝がまるで戦場のようになっている家庭は珍しくない。愛情があっても弁当をつくれない保護者はいるし、愛情をなくし子どもの食生活への責任を放棄する保護者もいる。
何とかして欲しいとの生徒や保護者の切なる要望を受け、大阪市は08年から段階的に「昼食提供事業」なるものを始めた。民間業者の弁当を学校で購入できるようにしたのである。

 その後、大阪市は弁当のデリバリー方式による給食の実施を決めた。今年の9月以降、97校から段階的に開始する予定となっている。保護者などがつくる「愛情(家庭)弁当」との選択制にし、今後、選択制を維持するかどうかは住民の意見を聞いて決める方針という。



3人に1台分のパソコンしかない?
教員もワリを食う「ICT化の遅れ」


「平成18年にも予算要求したことがあります。しかし、そのときは耐震工事などが優先され、後回しにされてしまいました」

 こう振り返るのは、大阪市教育委員会事務局の職員。

 劣悪な教育環境の下にいたのは、子どもたちだけではなかった。大阪市の教職員も厳しい教育現場での仕事を強いられていた。たとえば、ICT化の大幅な遅れである。

 いまや教員1人1人に専用のパソコンを配備するのが、ごく普通のことだ。ネットワークを構築し、校務負担の軽減や情報の有効活用を図ることで、教員の本来の仕事である子どもたちと向き合う時間を増やすことにつなげられるからだ。

 ところが、大阪市では教員3人に1台分のパソコンしか配備されていない。それも古い機種で、印刷できない代物だという。ネットワーク化されておらず、手書き作業を余儀なくされているそうだ。

 他の政令市で教員へのパソコン配備率が100%未満なのは、京都市のみ。その京都市も今年度中に100%になることが確定しており、大阪市だけが完全に取り残される事態が迫っていた。

 もちろん、それは担当者の認識が遅れていたわけではない。必要不可欠な分野にきちんと予算が回らずにいたのである。



歪んだ状況を打ち破った橋下市長
実は「弱者切り捨て」ではない?


こうした歪んだ状況を打ち破ったのが、橋下徹市長の誕生だ。市長選挙で「既得権を見直し、真に必要としている方々へ真に必要なサービスを届けるために、『グレート・リセット』を行なう」と主張し、当選した。そして、公約通り、税金の使い方を転換する予算編成にとりかかったのである。

「子育てや教育、雇用といった現役世代への重点投資に取り組み、収入の範囲内で予算を組むことを原則としました。職員の頑張りには100%満足しています」

 大阪市の橋下徹市長は、6月29日の記者会見で2012年7月補正予算案を発表し、こう語った。

 橋下市長は4月の当初予算を暫定としたため、この日発表された7月補正予算案と合算して就任1年目の「橋下予算」となる。これまでの大阪市の予算の姿とは大きく変わり、政策転換を反映させるものとなっていた。

 現役世代への支援強化策の総事業費は約181億円に上り、前年度より100億円増となる見込みだ。全教員約1万2000人にパソコンを配備する(6億4200万円)ほか、市内の小中など7校にタブレット型パソコンを配備するICT活用モデル事業に1億3500万円を計上するなどなど。

 その一方で、敬老パスへの一部自己負担導入や箱モノの統廃合といった市民サービスの見直しも盛り込んでいる。橋下政治をポピュリズムと評する人がいるが、見当違いも甚だしい。また、「弱者切り捨て」とステレオタイプの批判をする人もいるが、木を見て森を見ぬ議論と言える。

 そもそも、これまで通りの政治や行政(税金の使い方と集め方)を続けていたら、真の弱者を救うことはできない。溜まりに溜まった既得権をきれいに洗い流すことが、第一歩となる。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記より転載


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