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当たり前がなかなか通じない世界・・・

sakuraikeiko
この方、櫻井敬子先生。学習院大学法学部教授
東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。
筑波大学助教授を経て2003年より現職。主著に『行政法』(弘文堂)、
『行政法のエッセンス』(学陽書房)がある。

ごくごくマットウな大学の先生です。
学習院のセンセーだから、変に偏ったアホな思想の持ち主ではないはず。
やはり、フツーのことがごくフツーに通用してなかったここナニワの事情。
やっぱり、日本でいちばんややこしい街のようで・・・・・・・・・・・



以下、WEDGE2012年9月号より転載
http://wedge.ismedia.jp/

橋下市長も手を焼く
地方公務員の政治活動


橋下市長が問題提起し、注目を集めた市職員の違法政治活動。国家公務員法と異なり、地方公務員法には政治活動に関する罰則がなく、一部地方公務員によるやりたい放題を許す要因の一つとなっている。地方の問題は、自治権の問題やメディア、国民の関心の低さと相まって後回しにされる傾向にあるが、抜本的に法改正し改革を進めるべき。

大阪市の問題提起と公務員制度の改革
 何かと話題の大阪であるが、本年7月、大阪市において「職員の政治的行為の制限に関する条例」が成立した。同市では、昨年11月の市長選挙の際、管理職職員が勤務時間中に選挙対策に関わる公用メールを発信するなど、職員による政治活動が大々的に行われた。それが、選挙の趨勢に少なからぬ影響を与えたとみられる事態を受け、新市長のもとで、地方公務員の政治的行為を罰則付きで規制する条例の策定が企図されていた。

 公務員の政治活動については、国家公務員法では罰則の担保のもとで広範な規制がかけられているのに対し、地方公務員法では規制対象は限定され、罰則も設けられていない。当初の構想では、条例により地方公務員について国家公務員並みの制限を置くことが念頭に置かれていたが、6月に政府答弁書が出され、罰則を設けることは地方公務員法に違反するとの見解が示されたことを受け、議会提出段階で罰則がはずされ、懲戒処分で対処することとされた。

 この案件、舞台はたまたま大阪市であったが、本来、法律で禁止されているはずの地方公務員の政治活動がなぜおおっぴらに行われているのか、なぜ地方公務員については罰則が認められないのかという、地方公務員法の抱える本質的な問題点を浮き彫りにしている。公務員問題といえば、天下りなど国家公務員のことばかりが問題とされるが、国家公務員は約58万人であるのに対して地方公務員は約279万人と、その数は圧倒的に多い。地方の公務員制度にはもっと切り込む必要がある。

 わが国の公務員制度は、戦後改革の一大テーマとしてGHQが最も関心を注いだ問題のひとつであり、旧官僚制の解体と近代的人事行政の確立を目指して改革が進められた。職員の服務に関する二本柱は労働組合と政治活動の規制であり、激しいせめぎあい、紆余曲折を経て、昭和22年に国家公務員法がいったん成立をみる。
 しかしながら、この頃から2・1ゼネストが実施されるなど労働紛争が激化し、昭和23年にマッカーサー書簡に基づく臨時措置としてポツダム政令201号が即日施行され、公務員の団体交渉権が否定され、争議行為は罰則をもって禁じられる事態となる。国家公務員法は制定後わずか1年で全面改正されることとなり、政治活動に関する規制が格段に強化され、禁止行為を人事院規則に白紙的に委任し、政治活動をほぼ全面的に禁止したうえで罰則を置くという現行法の骨格が作られた。

 これに対し、昭和25年に制定された地方公務員法では、政治活動の規制は職員の行為規範として定められるにとどまり、違反に対する罰則は意識的に置かれず、懲戒処分によって処置することとされた。政府の提案理由説明では国家公務員と地方公務員の扱いの差について特に踏み込んだ言明はないが、国務大臣資料には両法の不均衡につき「近い機会に何等かの調整を考慮する事が適当であると思料する」との文言がみられる。

 同じ公務員であるにもかかわらず、国家公務員と地方公務員の間で刑罰規定の相違が生じた理由につき、旧自治省関係者の解説では、国家公務員法が制定されたのが「戦後の占領時代の初期」であり、「指令部の指導の下に、公務員制度の民主化の推進を十分過ぎるほどに意識し、その実施を刑罰によって強力に担保した」という事情があったが、地方公務員法の制定時期は「占領時代の後期、平和条約発効の2年前」であり、時間的なタイミングのずれがその「最大の理由」であると分析される(鹿児島重治『逐条地方公務員法』学陽書房・昭和57年)。

 大抵の場合、地方は国の陰に隠れて二番手に回されてしまい、国レベルではかまびすしく議論される問題が地方の番になると二番煎じで新鮮味が失われ、国民の関心が低いこともあって結果として問題が放置されてしまう事態は決して珍しいことではない。そういえば、復興財源捻出のための給与削減も、国家公務員については平均7.8%の削減がすでに実施済みであるが、地方公務員はどうなったのか。

 本年2月に成立した国家公務員給与削減特例法の附則では「地方公共団体において自主的かつ適切に対応されるものとする」とされていたはずであるが、まさかそれっきりというわけでもないだろう。こんな具合に、タイミングがずれると、地方の問題はいつの間にか流れてしまいがちなのである。



懲戒と人事委員会
信じがたい実情

 公務員の政治活動に話を戻そう。まだまだいろいろ問題がある。大阪市の条例では、政治的行為の制限違反に対する制裁は「懲戒処分により地方公務員たる地位から排除することをもって足る」との政府答弁に則し、免職を含めた懲戒処分をすることができるとされた。そこで、次なる問題は、懲戒処分は果たして適正に行われているかどうかということになる。
 地方の統治体制は、教育委員会などの行政委員会が多用されているため国よりも一段複雑になっていてややこしく、一般職公務員の懲戒処分権限も首長ほか各任命権者に分散されている。さらに、人事行政の場合、国に人事院があるように、地方には人事委員会(ないし公平委員会)が置かれ、中立的立場から人事行政に関する勧告や職員の不利益処分の審査を行うものとされる。

 現在、人事院については国家公務員制度改革法案のなかでその廃止が盛り込まれているが、地方の人事委員会の改革論議がほとんど聞かれないことはさておき、人事委員会がきちんと機能していることは、地方の人事行政の適正さを示すバロメータということができる。

 ここに人事委員会の実情の一端を窺わせるデータがある(公平委員会のデータを含む)。総務省の統計によれば、地方公務員に対する懲戒および分限処分数は全国で毎年3万件程度あり、そのうち処分を不服として人事委員会等に持ち込まれる件数は200件程度である。

 ところが、人事委員会等に係属する事件数は何と20万件にも上っており、事件が何十年もたまったままになっていることがわかる。これを繰越率でみると、平成21年度は98.8%、すなわち20万件のほとんどが翌年に繰り越され、処理されたのはわずか668件、しかもそのうち451件は「請求者の退職等による審査終了」となっており、人事委員会等が紛争を裁いて事件が終了したものではない(内閣府行政刷新会議の行政救済制度検討チームにおける総務省提出資料より)。

 これは信じがたい数字であり、懲戒処分を受けてこれに不満な者は人事委員会等に審査請求をするが、事件を定年まで引っ張り、退職をもって事件が打切りとなるプロセスが常態化している可能性を示唆している。

 総務省によれば、長期継続案件の多くは違法な争議行為への参加を理由とする懲戒処分に関するものであるという。この数字は全国の総計であり、自治体ごとに精査する必要があるが、一般に、懲戒処分が非常に慎重に行われること、人事行政の要の組織である人事委員会等の仕事ぶりがこのような状態であることを踏まえると、地方の人事行政の実態につき危惧の念を抱くのは筆者だけではなかろう。

 こうして、地方公務員は、政治的行為の制限に違反したとしても、法律上罰則はなく、懲戒処分もまずなされることはなく(免職の例はほとんどないとのことである)、懲戒処分を受けても人事委員会等にひっかけて定年まで引っ張ることができるというなら、結局、制裁は事実上存在しないも同然であり、モラルハザードは避けられない。

 国家公務員の場合には統計上このような特徴はみられず、地方公務員の世界は一般人の想像を超えた異空間が形成されているのかもしれない。このあたり、本格的な実態調査が必要であるように思われる。



枠をはめるだけで機能していない法律
 地方公務員法は「枠をはめる」だけの法律であって、実質的な内容は条例の定めや人事当局による運用に委ねられているというのが法の建前である(橋本勇『新版 逐条地方公務員法』学陽書房・平成21年)。しかし、横並ぶ自治体群の中にあって独自色を打ち出す条例が制定される例は少ない。そして、まれに大阪市のように特色ある条例が制定されそうになるや、国は卒然と「法律違反」を主張して、自治体に一分の隙も与えないかのごとき厳しい態度を見せるのは、興味深い現象である。

 地方公務員法が枠の法律だというなら、明文で禁ずる規定がない以上、地方自治法に基づいて地域の実情に応じて罰則を設ける余地が全くないとはいえず、旧自治省関係者のなかにもその可能性を認める見解がある(今枝信雄『逐条地方公務員法』学陽書房・昭和41年)。

 地方公務員法に限らず、地方自治法も地方税法もそうであるが、「地方の自主性」を掲げる法律のもとで当然のように地方に対して細かく厳しい統制がかけられ、これに地方交付税等による財政統制が加わるというのが、国−地方関係の基本的構図となっている。他方で、地方公務員の給与削減問題のように、「地方の自主性」なる言葉が地方にとっては国並みの厳しい改革を免れる恰好の免罪符として機能していることもあわせて指摘しておくべきであろう。

 総務省という役所はおもしろいところで、他の中央官庁に対しては地方分権を唱えてその中央統制を牽制するが、自己の所管事項に関して地方に向き合うときは地方に対する統制色を隠そうとはしない。ちなみに、地方公務員制度は、平成19年の国家公務員法改正に相応する改正がなされておらず、すでに一周遅れとなっているが、このままでは国と地方の制度上のアンバランスは一層拡大することが予想される。

 地方制度をどうするかは国のテーマであるから、地方公務員制度についても、政府が責任をもって抜本的な改革に乗りだすべきである。


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